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歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK
#19 変わりゆく街並みと変わらぬ自然。大人な街で童心に返る二子玉川散歩

#WELL-BEING 2024.06.21

歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK -二子玉川・坂井利郎編(アシックスウォーキング二子玉川 店長)-

※2024年5月時点の取材内容で構成しています。

その街をよく知るナビゲーターがおすすめの散歩コースを紹介しながら、自身のウォーキングスタイルについて語る連載企画「SANPO TALK」。第19回は、アシックスウォーキング二子玉川の店長を務める坂井利郎が、“ニコタマ”の愛称で親しまれる二子玉川の街をナビゲートします。近年の再開発で大規模複合用途施設やタワーマンションが立ち並び、上質なイメージが漂う街へと発展した二子玉川。少年時代から縁があるというこの街を歩いて彼が再発見したものとは?

東京都世田谷区の南西部に位置する二子玉川。東京都と神奈川県の境を流れる多摩川流域にあり、その風光明媚な土地柄で、明治時代からたくさんの行楽客を集めるリゾート地として親しまれてきました。やがて1960年代に入ると、高級百貨店が出店したのをきっかけに、二子玉川は高級住宅街と一体になったショッピングタウンへと発展することになります。

現在の二子玉川で大きな存在感を放っているのが、駅直結の大規模複合用途施設「二子玉川ライズ」です。その一角に店舗を構えているアシックスウォーキング二子玉川で、今回のナビゲーター役である店長の坂井利郎が出迎えてくれました。

「今日はプライベート気分で二子玉川を散策できるので楽しみにしてきました。せっかくなので、仕事がある日にはなかなか行けないスポットにも行こうと思っています」

2012年からこの場所にお店を構えるアシックスウォーキング二子玉川は、駅すぐというロケーションで、ビジネスシューズからウォーキングシューズまでさまざまなラインアップを誇ります。

「二子玉川は商業地でありながら住宅街も近いので、性別や年齢を問わずさまざまなお客様がいらっしゃいます。実際、都心の店舗では男性用のビジネスシューズをお求めになる方が多いのですが、ここでは女性用のウォーキングシューズも人気。ここにも二子玉川という街の特徴が表れているように思います」

自らの職場を出発点にいよいよ散歩がスタート。まずは二子玉川ライズ内の気になるお店を巡っていくことに。

二子玉川ライズは、商業施設、オフィス、住宅街区からなる大規模な駅前再開発によって2011年にオープン。敷地の30%で緑地を確保するなど、すぐそばを流れる多摩川の自然との共存をテーマにした施設づくりがされています。

坂井が導かれるように向かったのも、そんな緑がいっぱいのスペース。聞けば生まれも育ちも世田谷区内で、小学生の頃には二子玉川へよく釣りをしに来ていたのだそう。

「魅力的なショップがたくさん並ぶ一方で、このルーフガーデンや原っぱ広場のように、ちょっとした散策や休憩ができる屋上庭園もある。二子玉川ライズができて二子玉川は一気に洗練されましたが、水と緑が今も変わらずに残されているのはうれしいですね」

広大な二子玉川ライズ内を歩きながら、次に訪れたのは「二子玉川 蔦屋家電」。店内は書店、カフェ、家電店、雑貨店などがシームレスにつながり、自分のライフスタイルに合ったプロダクトと出会える空間になっています。

「一般的な家電量販店ではお目にかかれない商品が多くて楽しいです。書店と繋がっているためか、静かな雰囲気の中でゆっくりと見て回れるのがいいですね」

2階に上がると、インドアグリーンを中心に多種多様な植物やガーデニンググッズを販売するボタニカルショップ「SOLSO HOME Futako(ソルソ ホーム フタコ)」が。自社農場や提携生産者から取り寄せた、こだわりのグリーンが魅力です。

「じっくり家電やグリーンを眺めながら、より豊かな暮らしを想像するのが大好きなんです。それを実現させるのはなかなか難しいんですけど(笑)」

普段は自分のお店以外は訪れる機会があまりないという坂井。二子玉川ライズで貴重なウィンドウショッピングを楽しんだあとは、少し歩いて地元の人々にも人気のカフェを目指します。

二子玉川駅から、多摩川とその支流の野川に沿って走る多摩堤通りを北へ。歩いていると左手に自動車教習所がありました。それを見た坂井は羨ましそうに「いいなぁ」とポツリ。

「バイクの免許をもっていないことが人生の心残りのひとつなんです。これといった趣味がないこともあって、一念発起して取ってみようかなと考えていて」

普段、散歩やウォーキングは?

「自分はそれほど長い距離を歩くタイプではないんです。仕事やプライベートでは常にアシックスの靴を履いているのですが、アクティブなシーンに限らず日常の中で履き心地の良さや歩きやすさを感じられるのも私たちのシューズの特徴だと思います。とはいえ、体を動かす趣味があるといいですよね。となると、ウォーキングが一番手軽で楽しそうです(笑)」

15分ほど歩いて到着したのは、「SOULTREE(ソウルツリー)」。鉄工所をリノベーションしたレストランで、駅から距離があるにもかかわらず、独特の雰囲気と絶品のグリル料理を目当てにお客が後を絶ちません。

ここで少し早めのランチをいただくことに。オーダーしたのは定番の日替わりメニュー「ST BBQ PLATE」です。

「お肉はもちろんなのですが、添えてある野菜のグリルがすごくおいしい。今日の野菜はすべて世田谷産だそう。都内でもこんなにおいしい野菜が採れるんですね」

大満足のランチを済ませて散歩を再開。今度は多摩川の河川敷を歩きながら再び二子玉川駅方面へ。二子玉川ライズの近代的なビルやオフィス群を背景に、穏やかに流れる川面を眺めてもの想いにふけります。

「実は高校時代、二子玉川は通学の乗り換え駅だったんです。だからたまに途中下車して、友達と河川敷で話し込んだり、ぼーっと川を眺めたりして過ごしていました。家と学校のちょうど中間地点にあった二子玉川は、そのどちらにも属さない自由な空間として、学生時代の自分にとって大切な場所だったんです」

少しノスタルジックな気分に浸りながら、「散歩の締めくくりにぴったりのお店に行きましょう」と最後のスポットを目指します。向かったのは、二子玉川駅から歩いて5分ほどのところにある「柳小路(やなぎこうじ)」。古い裏路地を再生し2004年に誕生したエリアです。

「ここは石畳が敷かれていて、京都の町屋をイメージしたレトロな街並みが広がっているんです。この建物の2階にあるのがお目当てのお店です」

締めくくりにぴったりのお店……というのは、自社で醸造するビールが楽しめるブリューパブ「ふたこビール醸造所」です。毎日晩酌をするほどのお酒好きだという坂井は、7種類もある定番ビールに目移りしながら、お店のおすすめだというフタコIPAをオーダー。

「フルーティーで飲みやすい! 散歩をして少し疲れた体に流し込むビールは最高ですね。ショッピングにグルメに散策にと最高の休日が過ごせそうな街なのに、ここが自分の職場というのがもどかしいです(笑)」

かつてののどかだった二子玉川を知る坂井にとって、今回の散歩は新たな発見の連続だったかもしれません。

「この10〜20年ほどで、二子玉川は見違えるように発展しました。でも自然豊かな懐かしい景色がちゃんと残されているのがこの街の面白いところでしょうね。今日一日歩いてみてとても楽しかったですし、大切な場所としての記憶が新たに上書きされた気がします」

アシックスウォーキング二子玉川
住所:東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ オークモール1F
電話:03-3709-5140

二子玉川ライズ
住所:東京都世田谷区玉川2-21-1
電話:03-3709-9109

二子玉川 蔦屋家電
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ テラスマーケット1・2F
電話:03-5491-8550

SOLSO HOME Futako
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ テラスマーケット2F
電話:03-6447-9775

SOULTREE
住所:東京都世田谷区鎌田3-2-15
電話:03-6411-7312

ふたこビール醸造所
住所:東京都世田谷区玉川3-13-7 柳小路南角2F
電話:03-6411-7125

PROFILE

2010年にアシックス入社後、銀座インズ、吉祥寺、横浜、八重洲、新宿、渋谷の各アシックスウォーキング店舗でリテールを担当し、現在は二子玉川で店長を務めている。前職でも靴の販売に携わるなど、社会人としてのキャリアはリテールひと筋というスペシャリスト。
Photo : Sogen Takahashi
Edit+Text : Taro Takayama(Harmonics inc.)