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歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK
#28 発展し続ける住宅街とのどかな自然。この懐の深さが流山らしさ

#WELL-BEING 2025.04.07

歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK – 千葉県流山・杉本和博編(アシックス商事 ブランド戦略チーム)-

※2025年2月時点の取材内容で構成しています。

その街をよく知るナビゲーターがおすすめの散歩コースを紹介しながら、自身のウォーキングスタイルについて語る連載企画「SANPO TALK」。第28回は、アシックス商事でブランド戦略を担当している杉本和博が、かつて住んでいたという千葉県の流山をナビゲートします。都心からのアクセスがよく、子育て世代に人気の新興住宅地として知られる流山。大規模な商業施設から開放的な公園まで、本人の思い出深いスポットを巡りながら、今なお発展中の流山の街を散策します。

2005年、東京の秋葉原と茨城のつくばを結ぶ「つくばエクスプレス」が開通。これによって沿線の街は駅前を中心に著しい発展を遂げました。今回のSANPO TALKの舞台は、そんなつくばエクスプレスの中間に位置する千葉県の流山。この20年間で全国的にも有数の人気ベッドタウンへと変貌した、「流山おおたかの森駅」周辺を歩きます。

ナビゲートするのは、アシックス商事のブランド戦略チームに所属する杉本和博。神戸に本社があるアシックス商事ですが、杉本は2020年から2年間、東京支社で営業に従事。その間、妻と1歳のお子さんの3人で暮らしていたのが流山でした。

「家族を連れての転勤だったので、『子育てがしやすい街』という条件で転居先を探していました。その中で、実際に訪れてみてしっくり来たのが流山だったんです。職場がある浅草へもつくばエクスプレスで約20分。そんなアクセスのよさも決め手でしたね」

子育て支援の充実や流山おおたかの森駅周辺の大規模な開発もあり、流山市の人口増加率は、2016年から2021年にかけて6年連続で全国1位に。今なお若いファミリー層を中心に移住者が増えている新興ベッドタウンです。

駅名にある “おおたかの森”とは、近隣には絶滅危惧種であるオオタカが生息する雑木林が広がっていたことに由来。宅地開発の一方で豊かな森の生態系を保全する活動も続けられ、新しい街並みとのどかな自然が調和しています。

そんな流山散歩のスタートは、2007年に開業した「流山おおたかの森S・C」から。ショップやレストランだけでなく、クリニック・教育・スポーツクラブなどさまざまなテナントを有する複合商業施設で、このエリアのランドマークとして親しまれています。

「日常の買い物から食事まで、ここに来れば何でも揃う施設です。ショッピングセンターの前が大きな広場になっていて、地元の人たちの憩いの場にもなっています」

杉本が流山に移り住んだのはちょうどコロナ禍の真っ只中。在宅ワークと自粛ムードで、閉塞感のある生活を余儀なくされていました。

「私にとって思い出深いのは館内にある映画館ですね。たまに一人で訪れては、映画を観て気分転換をしていました。家のすぐ近くに息抜きできる場所が豊富にあるのが流山のいいところです」

通りを一本挟んだ先には広々とした公園が。「西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)」はつくばエクスプレスの開通にともなう沿線開発で造成された公園で、夕方や週末にはボール遊びや鬼ごっこなどに興じる子どもたちであふれます。

「園内のほぼ全域が芝生なので、小さな子どもでも自由にのびのびと遊べるんです。ちょうど私の自宅と駅の中間にある公園だったので、通勤やお出かけのたびに必ず通っていました。当時は日常の中の当たり前の景色でしたが、久しぶりに訪れると感慨深いですね」

懐かしそうにベンチに腰掛けながら、流山在住当時の散歩事情を話してくれました。

「コロナ禍だったので在宅での仕事がメインだったのですが、行き詰まったときは外に出て歩くようにしていましたね。すると頭の中がリフレッシュして、新しいアイディアが生まれたり、タスクがスッと整理できるんです。今思えば、ストレス発散ができる散歩は私にとって貴重な時間だったのかもしれません」

サッカーやランニングが趣味ながら、散歩には他のスポーツやアクティビティにはない魅力があるといいます。

「何より手軽にできるところがいいんです。特別な道具やウエアがいらないので、思い立ったときにすぐ始められますから。体にかかる負荷もちょうどいいので、私の場合はサッカーなどの激しい運動をしたあとのリカバリーで散歩をすることもありますね」

続いて向かったのは、家族でよく訪れていたというパン屋さん。公園に面した大通りを北に向かって歩いていくと、コンクリート打ち放しの立派な建物が見えてきました。

「石窯パン工房サフラン」は1986年に千葉県松戸市で創業。現在は県内に10店舗を構え、地域の人々に根強く愛されているパン屋さんです。

「『おおたかの森店』はモダンな美術館のような外観が目印です。店内が広くてその分並んでいるパンの種類が豊富なので、来るたびに目移りしていました」

そう言いながら店内を巡ること数分。杉本は悩んだ末に、人気No.1だという塩パンベーコンエッグと一口サイズのあんドーナツをゲット。

「塩パンはこのあといただいて、あんドーナツはお土産にします。懐かしい味に家族もきっと喜んでくれるでしょうね」

先ほど来た道を今度は南へ。この辺りでは、畑や雑木林といった昔ながらの自然と新たに整備された宅地が混在するちょっと不思議な景色と出会えます。

そのまま流山市と柏市の市境付近を進むと見えてくるのが「すずめ庵」。地元で30年近く愛されているおそば屋さんです。

「家からクルマで5分ほどなので、よく家族でお蕎麦を食べに来ていました。お蕎麦がおいしいのはもちろんのこと、大きな窓から見えるのどかな景色もポイント。春には桜も見られるんですよ」

周辺の宅地化が進むにつれ、若いファミリーも多く訪れるようになったというすずめ庵。お蕎麦は国産の蕎麦粉にこだわり、香りがよくて喉ごしも抜群。季節の食材を使った天ぷらなども人気です。

「一番のお気に入りはこの鴨南そば。散歩で冷えた体に、やさしい味わいのつゆが染み渡りますね。久しぶりに訪れましたが、味も雰囲気も変わっていなくてうれしくなりました」

思い出の味でお腹を満たしたところで散歩を再開。この日、気持ちよさそうにテンポよく歩く杉本が着用していたのは、アシックスウォーキングの新商品「ゲルライドウォーク 2」です。独自の「エナジーセービング」機能を前作から踏襲しつつ、アッパーのメッシュ素材が一新されました。

「ウォーキングの大敵は、靴の中のムレ。靴ズレや足裏の皮がむけてしまうといったトラブルの元となるからです。そこで新作では靴下の柄が透けて見えるほどの薄いメッシュ素材を採用し、高い通気性と軽さを追求しました」

さらに「フィット感とシルエットのよさも魅力です」とブランド戦略担当が自ら太鼓判を押すゲルライドウォーク 2で、足取り軽くこの日最後のスポットへ。

「流山市総合運動公園」は約18ヘクタール(東京ドームおよそ4個分)の広大な敷地にアリーナやテニスコート、野球場などを備えた運動施設。全面芝生のピクニック広場などもあり、休日は家族連れで賑わいます。

「私たち家族も休日によく遊びに来ていました。遊具もたくさんありますし、実物のSLが展示されていたりして、連れてくると子どもがすごく喜ぶんです」

アリーナの中にあるジムを利用するために、一人でこの公園を訪れることも多かったのだとか。

「ジムは流山市民だと1時間300円で利用できるのでよく来ていました。ここは家族にとっても私個人にとっても、いろいろな思い出が詰まったスポットと言えますね」

杉本にとって流山で過ごした2年間は、初めての転勤と初めての子育てに奮闘した日々でした。しかしコロナが重なってしまったことで、当初思い描いていた生活を叶えるには少し窮屈だったのかもしれません。

「いえいえ。むしろあの時期に流山に住んでいてよかったです。昔ながらの自然や美しく整備された公園など、いわゆる“逃げ場”がいくつもあったおかげで、さほど息苦しさを感じずに過ごすことができたんだと思います。今後、流山がどう発展していくのかも楽しみですし、次はぜひ家族を連れて再訪したいですね」

流山おおたかの森S・C
住所:千葉県流山市おおたかの森南1-5-1
電話:04-7152-3333(代)

西初石近隣公園(おおたかの森駅南口公園)
住所:千葉県流山市おおたかの森南1-815-11

石窯パン工房サフラン おおたかの森店
住所:千葉県流山市おおたかの森東4-9-34
電話:04-7197-6301

すずめ庵
住所:千葉県柏市豊四季88
電話:04-7149-0036

流山市総合運動公園
住所:千葉県流山市野々下1-40-1

PROFILE

杉本和博(すぎもとかずひろ)
1987年、兵庫県生まれ。中学から野球に熱中し、高校と大学では野球部のキャプテンを務めた。2010年にアシックス商事入社後は長らく営業やマーケティングに従事。2年間の東京支社勤務を経て、2024年からはアシックスウォーキングのブランド戦略チームの一員に。「これまで以上に責任が大きい業務ですが、とてもやりがいを感じています!」
Photo : Sogen Takahashi
Edit+Text : Taro Takayama(Harmonics inc.)