人が快適に「歩く」ためのシューズをビジネス、フォーマル、カジュアルなどのシーン別に提案しているASICS Walking。そんな靴選びのプロフェッショナルが靴にまつわるノウハウをレクチャーする「SHOES MASTER’S VOICE」。第16回目は「靴下のスタイリング術 カジュアル編」です。
靴下は実用性だけでなく、ファッションのアクセントとして楽しめるアイテムです。ひとえにカジュアルと言っても、そのスタイルの印象は靴下の色や柄、素材次第で大きく変わります。今回も人気スタイリスト・井田正明さんをゲストに迎えて、カジュアルな装いに役立つ靴下スタイリングの実践的なアドバイスをお届け。基本ルールからディテールの選び方まで、カジュアルスタイルを格上げするポイントを解説します。
白のケーブルソックスでつくる、深みのあるカジュアル感

白のケーブルソックスを中心に置いたスタイリング。厚手で立体的な編み目が、カジュアルな装いに豊かな表情を加え、無骨なミリタリーカーゴパンツに温かみと軽やかさをプラスします。靴下を少し長めにしてパンツの裾からさりげなく見せることで、足元にアクセントが生まれます。シンプルなアイテムの中にもこだわりを感じさせる仕上がりに。

足元はウォーキングシューズを合わせた、全体に上品な落ち着きを与えつつ、機能性も兼ね備えたスタイル。シューズと靴下のコントラストが、シンプルながら深みのあるカジュアル感をつくり出します。シンプルなウォーキングシューズも靴下とパンツと相まって、どこかトラッドなサービスシューズのような佇まいに。質感とディテールを意識することで、無理なく洗練された印象を引き出せる、シンプルでありながらも個性を感じさせるスタイリングです。
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リラックスの中にも洗練さが宿るグレーのワントーンスタイル

グレーで統一したワントーンスタイルは、シンプルながらも洗練された印象を与えるコーディネート。グレーのコットンソックスはやわらかな素材感が特徴で、スウェットパンツとの相性が抜群。リラックス感を持ちながらも、色を揃えることで足元にまとまりを感じさせます。スウェットパンツのスポーティーなシルエットに、同じトーンのグレーソックスを合わせることで、流れるような一体感を生み出します。

シューズはグレーのスニーカーをセレクト。これにより、色味に統一感が生まれ、全体的に落ち着いた雰囲気を引き立てます。靴下、パンツ、シューズをグレーのワントーンにまとめることで、モノトーンながらも深みと奥行きが感じられるスタイリングに。細部にまでこだわった色調整が、リラックスした中にも洗練された印象を与えます。
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メランジソックスで、奥行きのあるリラックス感を

メランジソックスはその独特の色味と質感で、カジュアルなスタイルに大人っぽさと奥行きを加えるアイテム。ややムラ感のある織りが、シンプルなデニムスタイルに表情を持たせ、全体を落ち着いた雰囲気に。アウトドアのイメージが強い靴下ですが、ワイドシルエットのストレートデニムと合わせることで、ソックスのやわらかなトーンが引き立ち、ボトムスのリラックスしたシルエットと絶妙に調和します。

足元にはスエードのダービーシューズを。ソフトな素材感が靴下とデニムと相まって、やわらかさとさりげない洒落感を演出します。靴下とシューズの素材感にこだわりを感じる、全体的に落ち着きのあるカジュアルスタイルの完成です。
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僕にとって靴下は、その人の人柄やちょっとした心遣いを感じるファッションアイテム。ディテールに込めたさりげないこだわりは、シンプルながらも深みのある印象を生み出します。スタイル全体のバランスだけでなく、パーソナリティを表現することも意識しながら、靴下を選んでみてください。次回は「パンツの種類別シューズスタイリング」をお届けします。
PROFILE

スタイリスト
1986年生まれ、埼玉出身。「川村都スタイリストスクール」を卒業後、五十嵐孝智氏に師事し、2011年に独立。ファッションメディアや広告、ブランドのカタログ、俳優の衣装など、幅広く活躍中。モードとカジュアルを軸にしながら、異なるエッセンスをミックスしたスタイリングを得意とする。
https://www.instagram.com/masaakiida/
Edit+Text : Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)
Styling:Masaaki Ida