#Story 2026.09.11
MOON AMBLEのリアルな評価と海外展開への可能性
PITTI IMMAGINE UOMO 110 REPORT
2026年6月、イタリアのフィレンツェで開催された世界最大級のメンズファッションの合同展示会「PITTI IMMAGINE UOMO 110」に、アシックスウォーキングが2度目の出展。最新のシューズコレクションやテクノロジーの展示に加え、新作「MOON AMBLE」も先行公開し、海外のメディアやバイヤーから前回以上の注目を集めました。そんな2度目の出展を、アシックス商事プロダクト戦略チームの三浦裕司とブランド戦略チームの鈴木徹、さらにPITTI IMMAGINE UOMOに出展する日本ブランドを長年見続けてきたファッションコーディネーター、坪内隆夫さんのコメントとともに振り返ります。
イタリアのフィレンツェで年に2回開催されている「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ・イマージネ・ウオモ。以下、PITTI)」。アシックスウォーキングは今年1月に続き、6月16日から19日にかけて開催された第110回のPITTIに出展しました。今回は「The Tech Behind the Walk」をテーマに、歩くことを「SPEED」「ENERGY SAVE」「BOUNCE」「STABILITY」という4つの機能軸で整理し、カテゴリーが掲げるウォーキングの思想とテクノロジーをより具体的かつわかりやすく表現。ブースの壁面には現ラインアップの主要モデルに加え、9月に発売される「MOON AMBLE(ムーンアンブル)」や「RUNWALK 7 LS GTX」といった新アイテムをずらりと並べ、中央のテーブルにはMOON AMBLEのプロトタイプも特別に展示しました。


アシックスウォーキングのブースは、オープンと同時に多くのメディアやバイヤーで賑わっていました。前回の初出展を経て、海外でのアシックスウォーキングの認知度と期待値がさらに高まっていることを感じさせます。その様子を間近で見ていたのが、現地在住のファッションコーディネーター、坪内隆夫さんです。
「これまで数々の日本ブランドのPITTI出展をサポートしてきましたが、アシックスウォーキングに対する来場者の反応はとりわけ良かったですね。イタリアにいるファッション業界の知り合いたちも、デザインの良さはもちろん、履き心地や歩きやすさというプラスアルファの価値を高く評価していました」
近年のPITTIについて「話題性や驚きのあるアイテムを出すブランドが少なくなっている」と評する坪内さん。バイヤーたちの視線も、手堅く売れそうなアイテムに向けられる傾向にあるそう。
「そんな中でアシックスウォーキングのプロダクトは、バイヤーたちに驚きをもって迎えられました。今、世界各国でアシックスへの注目が高まっていますが、スニーカーだけでなくドレスシューズも作っているという意外性やスポーツシューズのテクノロジーを落とし込んだ高い機能性が、アシックスウォーキングならではの独自性や真新しさとして受け入れられたのだと思います」

今回もブースに立ったプロダクト戦略チームの三浦裕司は、海外バイヤーたちとのより踏み込んだコミュニケーションを通じて、海外市場での細かなニーズを拾い上げました。
「前回もポジティブな評価をたくさんいただきましたが、今回はそれを深掘りすることをテーマにしていました。アシックスウォーキングの価値やポテンシャル、コンセプト、シューズの特徴、スタイリングなど多岐にわたる話題で会話する中で、あらためて私たちのプロダクトが海外で通用することを確認しました」
実際に今回は、パリをはじめ、ベルリン、オーストラリア、カナダなど世界各地の有名セレクトショップや百貨店のバイヤーからも積極的なアプローチがあったのだそう。
「ドレスシューズにスポーツテクノロジーを融合させるというアシックスウォーキングならではの特色に、海外のバイヤーも強い関心をもちはじめてくれています。今後の海外展開に向けて、プロダクト自体がもつポテンシャルが間違いなく強みになるという手応えを得ることができました」

アシックスウォーキングに期待を寄せるバイヤーやメディアとの関係を構築・維持することも、PITTIに出展を続ける意義のひとつ。同時に「自分たちの感覚を更新できる場」として今後も継続した海外出展を検討したいと語るのは、ブランド戦略チームの鈴木 徹です。
「ファッションに対する感性やリテラシーは国によってさまざま。海外の展示会出展をとおして、現地で見聞きする情報や来場者とのやり取りから、今まで気づけなかったアシックスウォーキングの強みと新たな視点を得ることができていると感じます」
新たな視点という意味で今回特に印象的だったのが、先行公開した今後のアシックスウォーキングを代表するであろうモデル、MOON AMBLEに対する来場者の反応だったそう。
「スポーティなデザインのソールにドレッシーなレザーのアッパーを組み合わせたMOON AMBLEのプロトタイプを展示したのですが、特徴は何と言ってもクッション性の高いソールテクノロジー。展示での見せ方や説明もその点にフォーカスしていました。ところが来場者の多くが驚いていたのは、重厚感のある見た目からは想像できないほどの軽さだったんです。たしかに軽さというのは手に取った瞬間に伝わるものだけに、私たちが思っていた以上に重要な強みなのだと再認識させられました」


バイヤーたちの期待と海外展開に向けた情報収集、MOON AMBLEの先行公開と意外なフィードバック。アシックスウォーキングにとってPITTIは一方向的な発信の場ではなく、来場者とのリアルなコミュニケーションを通じた相互作用が生まれる場でもあるようです。三浦と鈴木はPITTIを「アシックスウォーキングがやってきたこと、やりたいことの”答え合わせ“ができる場」だと話しますが、そんな答え合わせの先に、アシックスウォーキングのさらなる飛躍があるのかもしれません。

PROFILE
1988年からロンドンやミラノを拠点に現地ファッションデザイナーのアシスタントとして経験を積み、レディースオーダーメイドショップ「TAKAO MILANO」を設立。2004年から2008年までミラノファッションウィーク時に展示会UPSIDE MILANOを主催。2012年には日本のメンズブランドの海外展開・プロモーションを目的とした「JAY PROJECT」を始動し、PITTIをはじめとする海外展示会への出展をサポート。ヨーロッパの複数のファッションウィーク・展示会のコンサルティングなども手がけている。
アシックス商事株式会社
国内事業統括部 事業戦略本部 ブランド戦略部 プロダクト戦略チーム
三浦裕司(みうらゆうじ)
イギリスでシューズデザインを学んだのち、イタリアでシューズデザイナーとして活躍。2017年に株式会社アシックスに入社し、現在はアシックス商事株式会社でメンズシューズを中心に商品企画に携わる。
アシックス商事株式会社
国内事業統括部 事業戦略本部 ブランド戦略部 ブランド戦略チーム
鈴木徹(すずきとおる)
2009年、アシックス商事株式会社入社。メンズシューズのデザインに携わったのち、2020年より「texcy luxe(テクシーリュクス)」のプロモーションに従事。以降、アシックスウォーキングのブランディングやプロモーション施策全般を担当している。
Edit+Text : Taro Takayama(Harmonics inc.)




