アシックスを変えた、「GEL」との出会い。
アメリカでジョギングブームが訪れた1970年代。クッショニングを高めるためミッドソールにスポンジ素材が加えられたことでスポーツシューズは1つの転換を迎えたが、それでもまだまだ数多くの課題を抱えていた。
1984年。アシックスの研究所では新しいクッション素材の開発に取り組んでいた。しかし、ほとんどの素材の候補は従来のスポンジを改良したものばかり。そんな試行錯誤のなかで着目したのが、ボールペンからロケットにまで採用される素材「αGEL」。その特徴は、樹脂スポンジよりやわらかくクッション性に優れているという点。シューズへの搭載が実現すれば、スポーツシューズはさらなる進化を遂げることは確実だった。アシックスの開発者は、製造上の課題に対しパックした「αGEL」を最も衝撃が発生するミッドソールのスポンジ部分に埋め込むというブレイクスルーにたどり着いた。
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「GEL」の中に眠る、無限の可能性。
1986年。日本ではフリークスα、北米市場ではGT
Ⅱが発売。これらの
「GEL」を搭載したアシックスのスポーツシューズは世界のランナーから多くの支持を集めた。「GEL」の登場はアシックスのシューズの基本理念となり同時に、スポーツシューズの定義を根本から変えた。
機能と関係ないデザインはしないというアシックスの哲学を体現しながら、今も「GEL」は進化を続ける。「GEL」の中には、無限の可能性とまだ見ぬシューズの未来が、隠されている。
HISTORY
αGEL
スペースシャトルの衝撃緩衝材としても応用されたソフトシリコーンを樹脂フィルムでシーリング。耐久性を備えた衝撃緩衝材としてシューズに採用。
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HEXA GEL
形状を工夫することでコストダウンを実現。ファブレSP-α Lの中敷(かかと部)で初採用。
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P-GEL
防振材・衝撃緩衝材としても用いられる「シリコーン」を主原料とする軟質ゲル素材を発泡させたGEL。
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T-GEL
「ポリウレタン(PU)」や「スチレン系エラストマー」を主原料とした変形しやすい軟質素材。キャスト製法(鋳造製法)により作製しているため、形状や搭載位置の自由度が高く、構造設計によって優れた衝撃緩衝性の発現が可能。T-GELの名称は「Touchable GEL(触れることができるゲル)」が由来。
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γ-GEL(ガンマゲル)
「シリコーン」を「マイクロバルーン(ミクロン単位の単一空間を持った微細な中空粒子)技術」を用いることで、軽量化を実現したMolded タイプのGEL。
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T-GEL(Twist GEL)
「ポリウレタン(PU)」や「スチレン系エラストマー」を主原料とした変形しやすい軟質素材。キャスト製法(鋳造製法)により作製しているため、形状や搭載位置の自由度が高く、構造設計によって優れた衝撃緩衝性の発現が可能。T-GELの名称は「Touchable GEL(触れることができるゲル)」が由来。
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T-GELの進化
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fuzeGEL
GELを発泡させることで大幅な軽量化を実現し、GELの使用領域が拡大。材料設計により低反発から高反発までコントロールできるため、搭載箇所に応じて特性を変化させることが可能に。
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Hyper GEL
やわらかいウレタンスポンジに衝撃緩衝材『GEL』をちりばめており、性質が相反する2つの素材によりクッション性を保持しつつ、高い反発性を発揮する。
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COMFORT FROM TECHNOLOGY
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