スタイリングとは、「どう纏うのか」を磨く行為
靴のプロフェッショナルが教えるTIPS集
SHOES MASTER’S VOICE
vol.17 パンツの種類別シューズスタイリング

#TIPS 2025.06.09

スタイリングとは、「どう纏うのか」を磨く行為

人が快適に「歩く」ためのシューズをビジネス、フォーマル、カジュアルなどのシーン別に提案しているASICS Walking。そんな靴選びのプロフェッショナルが靴にまつわるノウハウをレクチャーする「SHOES MASTER’S VOICE」。第17回目は「パンツの種類別シューズスタイリング」です。
パンツの種類は足元の見え方に直結し、シューズと相まってシルエットの印象を左右します。前回に引き続き、人気スタイリスト・井田正明さんをゲストに迎えて、パンツの種類別に適したシューズのタイプやスタイリングのポイントを解説。普段の装いを一段と磨き上げるために、パンツとシューズの組み合わせに自分なりのこだわりを。

アウトドアにフォーマルを添えた、都会的なカジュアルスタイル

アウトドア由来のクライミングパンツは、動きやすさと機能性を重視したアイテム。カジュアルなイメージが強い一方で、合わせるシューズ次第で洗練されたスタイルにも昇華できます。今回は、オフホワイトのクライミングパンツに外羽根のプレーントゥシューズを合わせ、都会的なムードを添えました。

クライミングパンツ特有のリラックス感やゆったりとしたシルエットが、革靴のフォーマルな要素と絶妙なコントラストを生み出します。オフホワイトのパンツが軽やかさを強調しつつ、黒のプレーントゥを足元に選ぶことで、全体のバランスをチューニング。レザーの質感がパンツのカジュアルさを中和し、上品な雰囲気を纏わせます。アウトドアとクラシックの要素を掛け合わせた、ハイブリッドなカジュアルスタイルです。

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王道の装いを、色と素材感で遊ぶ

オーセンティックなチノパンに、クラシックなベージュのスエードシューズを合わせた、タイムレスなスタイリング。シンプルながらも素材の質感やシルエットの美しさが際立ち、足元から洗練された印象をつくります。チノパン特有のほどよいハリ感と、スエードのやわらかな風合いが織りなすコントラストが、装い全体に奥行きをプラス。クラシックなシルエットを引き立てつつ、落ち着きのある佇まいに。

全体のバランスをキープしながらも、素材感でさりげなくアクセントを加えるのがポイント。過度な装飾を避けたミニマルなスタイルだからこそ、細部に自分なりのこだわりを表現したくなります。

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意外な組み合わせでつくる、モードでモダンなスタイリング

タックパンツは、上品さと立体感を兼ね備えた定番アイテム。センターに入ったプリーツが足を美しく見せ、フォーマルな印象を与える一方で、合わせるシューズ次第で表情が大きく変わります。今回は、あえて黒のベルクロスニーカーをスタイリング。ベルクロのデザインによるミニマルな雰囲気が、タックパンツのエレガントさを引き立てながら、抜け感のあるモダンな仕上がりに。

カラーをブラックで統一することで、足元に重厚感を持たせつつ、全体のバランスを引き締めているのもポイントです。ソックスも同系色で揃えることで、洗練された印象を強調しています。モードなスタイリングにも応用できるこの組み合わせ。タックパンツ特有の上品さを保ちながら、ほどよく力を抜いた足元の遊び心を楽しんでみてください。

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スタイリングとは、表面的にトレンドを取り入れるのではなく、自分自身の感覚を磨いていく行為。素材や色の組み合わせ、シルエットの緩急。そうしたディテールへのこだわりから自分だけのバランスがつくられていきます。「何を選ぶか」ではなく「どう纏うか」。その積み重ねから自分だけのスタイルが見つかるはずです。

PROFILE

井田正明
スタイリスト
1986年生まれ、埼玉出身。「川村都スタイリストスクール」を卒業後、五十嵐孝智氏に師事し、2011年に独立。ファッションメディアや広告、ブランドのカタログ、俳優の衣装など、幅広く活躍中。モードとカジュアルを軸にしながら、異なるエッセンスをミックスしたスタイリングを得意とする。

Instagram
https://www.instagram.com/masaakiida/
Photo:rai
Edit+Text : Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)
Styling:Masaaki Ida