ランニングではスピードを上げれば上げるほど、エネルギー消費も比例して増えていきます。一方、ウォーキングではゆっくり歩いている時のエネルギー消費はさほどでもなく、スピードを上げると加速度的にエネルギー消費が増えるとされています。そこで、効率の良い運動の鍵を握るのが、歩くスピードです。歩いても、走ってもエネルギー消費量がほぼ同じになるのは時速約8km。時速8kmより遅い場合は歩くより走ったほうがエネルギー消費量は多くなり、時速8kmより速い場合は走るより歩いたほうがエネルギー消費量は多くなります。歩いている状態から自然と走り始める速度は時速7km台とされています。つまりエネルギー消費量がランニングに近づきつつ、自然と走り出さないギリギリの速さは時速7km程度。ですから目標として時速7kmのウォーキングを行えば、ランニングより故障のリスクを抑えながらランニングに近い運動効果(エネルギー消費量)を得られるのです。

まずはインターバルウォーキングから
時速7kmのウォーキングがエネルギー効率がよいことはご理解頂けたかと思いますが、いきなり実践するのは難しいでしょう。そんな時におすすめしたいのがインターバルウォーキング。簡単に言えば、早歩きとゆっくり歩きを交互に何度も繰り返すのです。ゆっくり歩きは脂肪を燃焼する割合が相対的に高くなり、長く続けられるので結果的にたくさんのエネルギーを消費できます。ゆえにダイエットや生活習慣病予防に最適と言えるでしょう。ところが、ゆっくり歩きだけでは加齢によって衰えていく筋力を維持するのは難しいことが最近わかってきました。そこで、早歩きを取り入れるのが効率良いウォーキング方法なのです。このウォーキング方法で心肺機能と筋力を無理なく向上させることを目指しています。ゆっくり歩きで足慣らしをし、3分間時速7kmを目標に、できる限り速く歩いてみましょう。そしてまた3分間ゆっくり歩き、次の3分間は早歩き、という具合で実践していきます。3分ごとに歩くスピードをチェンジ。時速7kmの早歩きの際は、腕を前方へ振り出すのではなく、後方へ引くことを意識しましょう。
