歩き方のプロ、豊川月乃さんがレクチャー<br>膝を痛めず、ヒールも様になる正しい歩き方。
正しい歩き方を知って、
健康に美しく歩く
BEAUTY WALK LESSON
vol.3 膝の負担を軽くして、ヒールでも快適に歩く方法

#WELL-BEING 2024.06.25

歩き方のプロ、豊川月乃さんがレクチャー
膝を痛めず、ヒールも様になる正しい歩き方。

あなたは普段、歩く時にどんなことに気をつけていますか? 正しい歩き方を知ることで、見た目の美しさを手に入れることはもちろん、体への負担を軽減し、長く、健康的に歩くことができるようになります。トップモデルのウォーキング指導をはじめ、これまで2万人を超える人の“歩き方”を指導してきた豊川月乃さんのお悩み相談の企画も3回目。今回はいよいよ、歩き方についてのレクチャー。歩くときに気をつけたいポイントや歩き方のコツを教えていただきます。

今回のお悩みは「膝を痛めず、ヒールでも快適に歩く方法を知りたい」です。

年齢を重ねると「膝がつらい」「不快感がある」「階段の上り下りが大変」などのお悩みが出てくることがあります。歩き方にはクセがあり、長年、同じ歩き方をしていると膝の関節に余計な重負担がかかり、骨の新陳代謝の低下や筋力が衰えることなどから膝関節が不安定になり、膝痛の原因となってしまうと言われています。

「これは、日々の歩き方の積み重ねで、どうしても生じてしまうお悩みです。今はまだ平気だと思っていてもいずれ悩まされることになるかもしれません。何歳になっても健康的に歩くためと考えて、膝に余計な負担をかけない歩き方を今から意識してみるのがおすすめです」

膝の負担を軽くする歩き方のコツ

① 目線は下げず、頭の位置を高くキープする。
② 腹部を引き締め、腹筋の引き上げを意識する。
③ 膝が伸びている。
④ かかとから着地。

NGの歩き方はこちら。

① 目線が下がっていて、姿勢が悪い。
② お腹に力が入ってない。
③ 膝が曲がっている。
④ ベタっと足裏全体で着地している。

「ポイントは、膝を曲げず、かかとから地面に着地できているかどうか。自分の普段の歩き方がNG例のようになっていないか、チェックしてみてください。足を着地する際に、膝を曲げながら足裏全体でべたっとつけてしまうと着地時の体重をすべて膝で受け止めてしまうことになります。その衝撃の積み重ねが“膝の違和感”につながっていきます。膝を伸ばし、かかとから着地し、足先で地面を蹴る。その体重移動がスムーズにできれば、膝の負担を減らすことができます」

歩き方を変えるのが難しい…と思う方にはこんなアドバイスも。

「お腹を引き上げて、姿勢をよくすることが第一。その上で、頭のてっぺんから真上に引っ張られているような意識をもつと、膝を上手に伸ばしながら歩くことができると思います」

ヒールの時の歩き方のポイント

ローヒールから写真のようなミドルヒールの場合、基本は〈膝の負担を軽くする歩き方のコツ〉と同様に、かかとから足をつくこと。ヒールの分、つま先はそんなにあげなくてもOK。

さらに、ヒール疲れを軽くするにはお腹をしっかり引き上げて歩くことが大事、と豊川さん。上手にお腹の引き上げをする方法を教えていただきました。

お腹の引き上げトレーニング

1 お腹(胃のあたり)に手をあて、もう片方の手を垂直に伸ばす。

2 手を上げている事で、手に引っ張られてお腹が引き上がっている状態に。このお腹のへこんだ感覚をキープしたまま、ゆっくり手を下ろす。

3 その状態でウォーキングや日常生活をする。

「歩く時にも腹筋はとても大事な役割をしてくれています。腹筋を使わないで歩くと、足先に体重がかかってしまい、結果ヒールで足を痛めてしまいます。腹筋をしっかり使って上半身を支えれば、その分の体重負荷を減らすことができます。できれば1日中、腹筋を意識して歩いてみてほしいところですが、最初は難しいと思うので、まずはこのお腹の引き上げを1日で1、2分キープ。慣れてきたら5分、10分と伸ばしてみていってみてください。1カ月続ければ、腹筋もしっかりつき、歩き方も変わってくると思いますよ」

お腹を引き上げるトレーニングは、腹直筋を鍛えてよい姿勢づくりのベースにも。姿勢がよくなると胸の高さもグッとあがり、若々しく見た目も変わってきます。正しい歩き方を意識することは、健康のためにも、美容のためにも、とても大事なこと。まずは短い時間からでもいいので、正しい歩き方が身につくウォーキングを取り入れてみませんか?

Photo:Sonoko Senuma
Interview & Text : Kana Umehara

PROFILE

豊川月乃 とよかわ・つきの/モデルパフォーマー・TUKINO WALK代表。 有名女優・トップモデルから、小学生や70代の女性まで、のべ2万人の女性を指導した実績を持つ。 さまざまな職業を経て専業主婦になるも、 30歳でモデルにカムバックし、 雑誌やCM、TVやラジオなど幅広く活動を広げ、36歳で「東京コレクション」に出演。 2018年にはParisのUNESCO本部にて各国親善大使の前で美japonのコレクションに出演した。日本舞踊歴10年以上。 現在は「美のエキスパート」として各種メディアで活躍中。著書に 「美人養成専門学校48の教え」(サンマーク) 「ますますキレイになる人 どんどんブサイクになる人」(大和書房) などがある。