#WELL-BEING 2025.04.30
歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK – 福岡・相良勝也編(アシックス商事 福岡オフィス所長)-
※2025年4月時点の取材内容で構成しています。
その街をよく知るナビゲーターがおすすめの散歩コースを紹介しながら、自身のウォーキングスタイルについて語る連載企画「SANPO TALK」。第29回は、アシックス商事の福岡オフィスで所長を務める相良勝也が、生まれ育った福岡の中心街を思い入れたっぷりにナビゲート。九州随一の繁華街から桜の名所、レトロなアーケード、馴染みの飲み屋さんまで、ローカルな目線でめぐります。
2022年の秋からはじまったSANPO TALKは、29回目にしてついに九州へ。舞台となるのは、九州の玄関口にして最大の都市である福岡です。ナビゲートするのは、アシックス商事の福岡オフィスで所長を務めている相良(さがら)勝也。住まいも勤務地も、生まれも育ちも福岡という彼ならではの視点でこの街を案内します。
博多駅から地下鉄で10分ほど。最初に訪れたのは福岡市中央区にある「大濠(おおほり)公園」です。226,000平方メートル(東京ドーム約5個分)もの大きな池を中心に、日本庭園や児童遊園、ジョギングコースなどが整備された福岡の人々の憩いの場。かつて福岡城の外濠だったという池の中の島からは、見晴らしのいい眺望も楽しめます。

「小さな子どもから年配の方まで、さまざまな層に親しまれている公園で、以前開催されていた花火大会には毎年40万人もの見物客が訪れていました。そんな賑やかな公園なのですが、私にとっては学生時代の部活動の思い出がよみがえる場所でもあるんです」
中学、高校、大学と陸上部で活躍していた相良にとって、大濠公園の2kmジョギングコースは、雨の日も風の日も走り続けたトレーニングの場だったのだそう。
「10年間でこのコースを何周したのか分かりません(笑)。それくらい一生懸命に陸上競技に打ち込んでいました。実はこうして大濠公園をじっくり歩くのは初めて。景色は最高ですし広々としていて開放感もある。あらためて居心地のいい公園なんだと再認識しました」

思い出のジョギングコースをなぞるように歩き、そのまま隣にある「舞鶴公園」に足を伸ばします。福岡城址を中心に造成された公園で、撮影をした4月上旬頃は春の風物詩である「福岡城さくらまつり」が開催中。満開の桜を見ようといつも以上に大勢の人で賑わっていました。


「園内には1000本もの桜が植えられていて、春になるとご覧のとおり、あたり一面がピンク色に染まります。4月上旬頃に福岡に訪れる方にはぜひおすすめしたいスポットですね」
舞鶴公園の敷地内にある「平和台陸上競技場」も、陸上部時代の相良がライバルたちと競い合った思い出深い場所。
「自分が出場するレースの前は、ちょうどこのあたりでウオーミングアップしていたんです。当時はいい結果を出そうと必死で公園を楽しむ余裕はありませんでしたが、あれから何十年も経ち、こうしてのんびりと歩ける日が来るなんて感慨深いですね」


お城の面影が残る舞鶴公園を抜けると景色は一変。オフィスビルや商業施設が立ち並ぶ通りを天神方面へと歩きながら、普段のウォーキングスタイルの話題に。陸上選手だった相良にとって、ウォーキングは少し物足りないのでは?
「たしかにそういうイメージはありましたが、徐々に歩くことの楽しさが分かってきました。寄り道をしたり、あえて遠回りをしたりして歩いていると、思いがけない発見があるんですよね。生まれ育った街なのに、まだまだ知らないことがあるんだなって」

相良は、長く楽しめるアクティビティであることもウォーキングの魅力だといいます。
「学生時代の習慣が染みついているせいで、たまに走りたくなるんです。でもいざ走ると、気持ちに反して体が思うようについていかなくて……そのせいで怪我をしてしまったこともありました。でもウォーキングは気軽に始められる運動ですよね。普段体を動かさない人はもちろん、私のように『若い頃にスポーツをやっていた』という方にもおすすめです」
ビル群の隙間に細い路地が見えてきました。その先にある「新天町商店街」は、終戦直後に誕生した西日本初のアーケード型商店街で、およそ80年にわたって天神の商業を支えてきました。そんな商店街の手前に、九州地方で唯一のアシックスウォーキング直営店「アシックスウォーキング福岡」があります。


九州各地の小売店営業を担当している相良ですが、自社の直営店に訪れることはまれ。せっかくの機会ということで、店舗スタッフと意見交換をしつつ自らも3D足形計測をしてみることに。
「足長や足囲など9項目を細かく計測し、土踏まずの形状や重心位置まで見える化してくれる。初めて体験しましたが、自分では気づけなかった足の特徴を知ることができるのはとても興味深いですね」
この日は3月に発売されたばかりの「GEL-BIZ(ゲルビズ)」を着用。衝撃緩衝機能「fuzeGEL(フューズゲル)」をミッドソールの前後広範囲に加えて、かかと部分に内蔵し、ビジネスシューズでありながら長時間の歩行に耐える履き心地を追求しています。
「足形計測をしてみて、自分に合った中敷を敷くことでさらに履きやすくなることがわかりました。より多くのお客様に足形計測の重要性を知っていただけたら、私自身もうれしいです」


次のスポットを目指して昔ながらの雰囲気が残るアーケードを進んでいくと、「これもずっと昔から変わってないんですよ」と、相良が指をさしながら立ち止まりました。見上げると、高さ17m、幅7.5mの大時計塔「メルヘンチャイム」が。


「1981年にアーケードの創業35周年を記念して設置されたからくり時計です。今でも毎時00分になるとからくり人形が踊り出し、鐘が美しい音楽を奏でる、新天町のシンボルなんですよ」
アーケードを抜けてさらに歩くこと数分。福岡県産のイチゴ「あまおう」をスイーツに加工して販売する「伊都きんぐ 天神店」に到着しました。

「普段は甘いものを控えているんですが、ここのスイーツは別。つい先日も友人と訪れたばかりなんです」
おすすめは、あまおうが丸ごと一粒入った「どらきんぐ 生」。もちもちの生地と甘酸っぱいあまおうが相性抜群のどら焼きです。
「これは11月下旬から5月末までの期間限定商品なんです。中に入ったイチゴが大粒で食べ応えも十分。お土産にもとても喜ばれる一品なんですよ」


いよいよ福岡散歩も終盤。数多くの商業施設が立ち並ぶ天神から、飲み屋や屋台で有名な中洲方面を目指します。国体道路を東へ15分ほど歩くと、那珂川にかかる春吉橋が見えてきました。

「ここを超えると西日本一の歓楽街といわれる中洲です。今日の最後のスポットは、中洲の少し先にある私の行きつけのお店にしましょう」
そう言って案内してくれたのは「焼鳥屋 有馬」。店主の有馬昌二郎さんは相良の25年来の友人で、中洲のスナックのマスターから焼鳥店の大将に転身した経歴の持ち主です。

「福岡では、串に刺さっていれば何でも”焼き鳥”って言うんです」と有馬さん。「エビや豚足、豚のホルモンも全部“焼き鳥”です。おすすめの焼き鳥? それはもう『豚バラ』で決まりですよ(笑)」


ということで豚バラを含む焼き鳥の盛り合わせと、相良が必ず頼むという「酢もつ」を肴に、今日の散歩を振り返ります。
「学生時代の思い出の場所から馴染みのお店まで、個人的な思い入れが強い場所ばかり案内してしまいました(笑)。とはいえ、久しぶりに訪れるスポットも多く、新鮮な気持ちで楽しく歩くことができました」

その言葉のどおり、終始笑顔で愛する地元をナビゲートしてくれた相良。実は、道中でこんな話をしていました。
「日々の生活や仕事の中で常に意識していることがあるんです。それが『いつも機嫌よくそこにいること』。不機嫌は伝染してしまうので、なるべく明るくいようと努めているんです」
福岡の街を散歩しながら、そこかしこで感じることができた活気やエネルギーは、生粋の福岡っ子である彼のマインドとリンクしているのかも。歩いていると自然と元気になれてしまう街。それが福岡なのかもしれません。



大濠公園
住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-2
電話:092-741-2004
舞鶴公園
住所:福岡県福岡市中央区城内1-4
電話:092-781-2153
アシックスウォーキング 福岡
住所:福岡県福岡市中央区天神2-7-22
電話:092-724-0414
伊都きんぐ 天神店
住所:福岡県福岡市中央区今泉1-22-21
電話:092-711-1539
焼鳥屋 有馬
住所:福岡県福岡市博多区冷泉町7-24
電話:092-281-1919
PROFILE
1971年、福岡県生まれ。福岡大学を卒業後、1994年にアシックス商事の福岡営業所に入社。以来、営業一筋で九州各県の小売店を担当。昨年から福岡オフィスの所長として、九州地方での事業を統括している。「街中で弊社の靴を履いている人を見かけるとすごくうれしいんですよ。つい『ありがとうございます!』って声をかけたくなってしまいます(笑)」。
Edit+Text : Taro Takayama(Harmonics inc.)