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歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK
#31 喧騒の隙間で癒しをチャージ。名古屋で見つけた心の充電スポット

#WELL-BEING 2025.07.14

歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK – 名古屋・真渓ハナ編(タレント)-

※2025年6月時点の取材内容で構成しています。

その街をよく知るナビゲーターがおすすめの散歩コースを紹介しながら、自身のウォーキングスタイルについて語る連載企画「SANPO TALK」。第31回のナビゲーターは、名古屋を拠点にテレビ番組の司会、レポーター、ナレーターとして活躍している真渓ハナさん。多忙なスケジュールの合間を縫って散歩を日課にしている真渓さんに、名古屋の市街地にある憩いのスポットの数々を案内してもらいます。

今回のSANPO TALKは、日本三大都市のひとつである名古屋が舞台。名古屋城の城下に広がる中部地方最大の繁華街を歩きます。

ナビゲートしてくれるのは、真渓(しんたに)ハナさん。月曜から金曜の帯でオンエア中の通販番組「いちばん本舗」(東海テレビ)のMCをはじめ、名古屋を拠点にテレビやラジオ、イベントなどで活躍されています。最近はウォーキングにハマっているそうで、自身のインスタグラムでは歩いた時間と景色の写真を毎日更新しているほど。

そんな真渓さんとの名古屋散歩は、市内を代表するビジネス街・官庁街である丸の内エリアからスタート。

「このあたりは名古屋城の築城を機に整備された碁盤の目のような道が特徴なんです。周囲にはオフィスビルが立ち並んでいますが、この先に面白いスポットがあるんですよ」

しばらく歩くと、濃い緑に囲まれた不思議な一画が見えてきました。江戸時代から続く老舗料亭の旧屋敷跡に立つレストラン「THE KAWABUN NAGOYA(ザ・カワブン・ナゴヤ)」です。

外観は伝統的な日本建築ですが、一歩中に足を踏み入れると大正ロマンの思想を取り入れた和洋折衷スタイルのインテリアが客人を迎えます。真渓さんはここで行われたパーティーで司会を務めたのをきっかけに、プライベートでも訪れるようになったのだそう。

「まさに日常の喧騒から離れた異空間。仕事の合間などに立ち寄るととてもリフレッシュできます。中庭の景色も素敵でしょう? ここにいるとスマホを開く気なんてなくなってしまいますよね」

カフェやバーとして気軽に利用することもできるTHE KAWABUN NAGOYA。カフェラテを片手に中庭を眺めていると、お店のご厚意で、隣接する築400年の料亭「河文」を見学させてもらえることに。

江戸時代から続く名古屋最古の料亭で、伊藤博文や田中角栄など歴代首相をはじめ、海外の要人も多数来訪してきた由緒ある場所。数寄屋造りの建物に足を踏み入れた真渓さんは、その美しさに終始うっとりした表情を浮かべていました。

悠久の歴史を重ねた晴れの場をあとにして、名古屋駅から東へ伸びる桜通を進むこと約10分。名古屋のシンボルであるテレビ塔のたもとに、真渓さんお気に入りのベーカリーショップがありました。

「bakery&cafe ESPRIT NAGOYA」は、国産小麦を使用したパンを常時50種類以上もラインアップ。店内のイートインスペースや通りに面したテラス席で、モーニングやランチを楽しむことができます。

「収録や打ち合わせの合間に訪れてはパンとコーヒーをいただいています。久屋大通公園の緑やテレビ塔を眺めながらテラス席でくつろいでいると、気分はまるでパリのシャンゼリゼ通りです(笑)」

この日はお気に入りのパンを購入して次のスポットへ。その道すがら、「近くなので立ち寄ってみましょう」と真渓さんが長年通う「東海テレビ」を訪問し、マスコットキャラクターのイッチーともご挨拶。

「『いちばん本舗』には放送開始から16年間出演し続けています。当初は情報番組だったので、旅コーナーのレポーターとして海外ロケにもよく行っていました。今では年下のスタッフたちにかわいがってもらいながら(笑)、和気あいあいと楽しくお仕事させていただいています」

名古屋の街の特徴のひとつに地下街があります。日本で最初の本格的な地下街が1957年に開業したのを皮切りに、名古屋駅や栄駅周辺には合わせて14もの地下街が存在しているのだとか。

「文字どおり、地中にもうひとつの街がある感じです。広いエリアをカバーしているので、雨の日や暑い夏場は地下街の中を歩いて移動する人も多いんですよ」

そんな名古屋の地下街のひとつ「サカエチカ」で、このほどリニューアルオープンしたのが「アシックスウォーキング名古屋サカエチカ」。同じ地下街の中で移転したことで、栄駅からのアクセスがより便利に。お店の雰囲気はブランドカラーのアシックスウォーキングブルーを基調とし、ホワイトとグレーを配した上品な装いに一新されました。

真渓さんの散歩の相棒は「ペダラ ウイメンズ」のローヒールパンプスモデル。牛革を贅沢に使ったフェミニンなデザインと長時間の歩行にも対応する機能性を両立させたシューズです。

「最初はこれでウォーキングできるの? と疑心暗鬼だったんですが、スニーカーのような快適な履き心地にびっくりしました。軽くて足馴染みがよく、パンプスであることを忘れてしまうほど。また足元をドレスアップしてくれる高い質感もポイントですね。職種によってはスニーカーを履けない方もいると思うんですが、これなら私のように仕事の合間や仕事帰りに歩きたいという女性におすすめですよ!」

と、その語り口はまるで通販番組。実感がこもったさすがのプレゼンテーションに、ペダラを履いた驚きと感動が表れていました。

地下街を出ると、そこは老舗百貨店や海外ブランドの直営店が立ち並ぶ大津通。多くの人で賑わう目抜き通りを歩きながら、真渓さんの普段のウォーキングスタイルについてお聞きしました。

「以前はランニングや水泳をやっていたので、正直、歩くことは運動としてカウントしていませんでした。でも最近になって、歩くと心身ともに調子がいいことに気づかされたんです」

散歩やウォーキングを日課にしたことで、自身を悩ませていたストレスからも解放されたと真渓さん。

「私の場合、『今日の収録はうまくできたのかな?』とか『もっとこうすればよかったのかな?』といったことを考えだすと止まらなくなってしまうんです。ところが歩いていると、いつの間にかそうした不安やモヤモヤが、霧が晴れるようにクリアになっていく。この感覚を味わって以来、生活の中に積極的にウォーキングを取り入れるようになりました」

久屋大通公園の先にあるのが、「久屋大通庭園フラリエ」。ここは真渓さんが散歩の合間によく訪れる癒しスポットなんだとか。

「昔は名古屋市が運営する『ランの館』という施設だったんですが、2014年に入場無料の庭園にリニューアルされました。誰でもふらりと立ち寄れる憩いの場で、池のほとりで休んだり、季節の草花を愛でたりしながら、思い思いに過ごせるところが気に入っています」

「そろそろお腹が空いてきましたね」と真渓さん。イチ押しのランチスポットがあるという大須商店街を目指して歩いていると、にぎやかなアーケードからエスニックな香りが漂ってきました。

この地で30年にわたって親しまれているブラジル料理店「OSSO BRASIL(オッソ ブラジル)」。一番人気は鶏の丸焼きで、いつしか大須名物として親しまれるようになりました。

「名古屋グルメというと味噌カツやひつまぶしをイメージされるので、あえて県外の人にここをおすすめすると『え、なんで?』と言われます(笑)。でもひと口食べるとそのおいしさにみんなびっくりするんです」

秘伝のタレにひと晩漬けこみ焼き上げられた丸鶏は、皮はパリパリで中はしっとり。味はもちろん、ブラジルの屋台のような開放的な雰囲気も人気の理由です。

「商店街のど真ん中で人目もはばからず、無心で鶏肉を頬張るというのがいいんです。ここに来ると自然とバイブスが上がってお腹も心も満たされるんですよね」

散歩の締めくくりに訪れたのは、真渓さんが学生時代から通っているというスポット。大須通を東へ20分ほど歩くと、正面に見えてくるのが「鶴舞公園」です。

「広大な敷地の中に洋風庭園と日本庭園が同居しているのが特徴で、名古屋では知らない人はいない公園です。桜の名所としても有名で、満開の季節になるとものすごい人で賑わうんですよ」

ここは明治42年に名古屋市が最初に設置した公園で、正面エントランスからの風景は100年以上前からほぼ変わっていないのだそう。

「お金がない高校生のとき、園内にある鶴舞図書館で新刊本を読み漁っていたのを思い出します。今でもたまに訪れますが、当時と変わらない風景を見ると心が和みますね」

名古屋の街を歩きながら、「私は普段から“自分を充電できるコンセント”を探しているんです」と話していた真渓さん。その言葉どおり、歴史ある建物、開放感のあるテラス、自然豊かな公園や庭園、人が行き交う繁華街の雑踏など、都会の中で癒しやエネルギーがチャージできる場所を紹介してくれました。

「名古屋の面白さは、過去と現代が当たり前に融合しているところ。さまざまな表情を見せてくれる街なので、歩いていて飽きることがありません。みなさんも名古屋で自分なりの充電スポットを見つけてみてください」

THE KAWABUN NAGOYA
住所:愛知県名古屋市中区丸の内2-12-30
電話:052-222-0020

bakery&cafe ESPRIT NAGOYA
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-1-1 アーバンネット名古屋ネクスタビル1階
電話:052-228-4250

東海テレビ
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-14-27
電話:052-951-2511

アシックスウォーキング 名古屋サカエチカ
住所:愛知県名古屋市中区栄3-4-6 サカエチカW28区画
電話:052-971-5205

久屋大通庭園フラリエ
住所:愛知県名古屋市中区大須4-4-1
電話:052-243-0511

OSSO BRASIL
住所:愛知県名古屋市中区大須3-41-13
電話:052-238-5151

鶴舞公園
住所:愛知県名古屋市昭和区鶴舞1
電話:052-733-8340

PROFILE

真渓ハナ(しんたにはな)
1972年、大阪府生まれ。10歳で名古屋に移住し、名古屋で制作されていたNHK「中学生日記」で子役としてデビュー。大学時代に海外留学を経験したのち、アルバイト先でスカウトされ再びテレビの世界へ。情報番組のレポーターやラジオパーソナリティなどを経て、現在は東海テレビ「いちばん本舗」のMCやイベント司会、ナレーターとしてマルチに活躍中。
Photo : Kohei Watanabe
Edit+Text : Taro Takayama(Harmonics inc.)