#WELL-BEING 2026.04.28

フットケアで7割の女性が自己肯定感や主観的健康感にプラスの影響感じる

ASICS Walkingでは、2025年11月~12月に、10~70代の女性542人を対象とした、女性のフットケア・シューズ選びに関する実態調査を実施しました。(協力:下北沢病院)
フットケアを行うことによって「プラスの影響があった」と感じている人は、自己肯定感で計71.1%、主観的健康感で計76.8%いることが分かりました。フットケアに取り組む人たちを深掘りしていくと、「歩くこと」「走ること」はリフレクションの機会でもあり、心身ともに美しくあり続けるライフスタイルを維持するペルソナ像が浮かび上がりました。また、95.4%の女性が「足の悩み」を抱え、このうち10代・20代から足の悩みを抱えている人が63.4%いました。悩みの種類では「自分の足に合うシューズがない」という人が42.2%いました。全3回シリーズで、「女性のフットケア・シューズ選びのインサイト編」「フットケアを取り組む人たちの実像編」「専門家のアドバイス編」を紹介していきます。(数字は小数点第二位を四捨五入)

足元から始まる心身の健康

調査結果で特徴的だったのは、フットケアを行う人たちは、自己肯定感や主観的健康感に「プラスの影響があった」と感じている人が多かった点です。自己肯定感で「プラスの影響があった」と感じている人は計71.1%で、「ほとんど影響はなかった」と感じている人の3.0%と大きな差がありました。主観的健康感で「プラスの影響があった」と感じている人は計76.8%で、こちらも「ほとんど影響はなかった」と感じている人の計1.9%と大きな差がありました。

また、別の質問では、美容としてフットケアに取り組む人のうち主観的健康感が現在「健康」という人は計80.0%いました。これは他の美容の取り組み「美肌づくり」(計86.0%)、「リラクゼーション」(計79.9%)、「エイジングケア」(計78.1%)などと同程度でした。

健康維持としてフットケアに取り組む人のうち主観的健康感が現在「健康」だという人は計79.8%いました。こちらも、他の健康維持の取り組み「ウォーキングやジョギング」(計84.7%)、「ストレッチやヨガ、ピラティス、エアロビクス」(計80.2%)、「十分な睡眠」(計79.8%)などと同程度でした。

これらの点について回答者の中から抽出した3人の女性へ深掘りインタビューをすると、30代でも40代でも、「美しさ」や「かっこよさ」の追求として、「心身共に健康」であることを意識したライフスタイルに取り組む姿が浮かび上がりました。

共通点として、「ウォーキング」や「ランニング」だけでなく、日常生活の中で「歩くこと」に大切な価値を見いだし、習慣化している点です。そこには、体力維持や楽しみという側面だけでなく、その中に自分の行動の客観的振り返りやそこから学びや気づきを得て次の行動につなげていく「リフレクション」の要素が含まれていました。

ここから見えてきたことは、「足の悩み」を抱えていることは、このようなライフスタイル維持にマイナスの影響を及ぼすため、日常的なフットケアに関心を持っているということです。結果的に、足の良い状態を維持することが「自己肯定感や主観的健康感にプラスの影響を与えている」というペルソナ像が浮かび上がってきました。

足元を整えることは忙しい日常の中で自分を取り戻す秘訣

東京・丸の内エリアで働く女性の健康や食を応援するプロジェクトをプロデュースしてきた井上友美さん(wellit代表・プロデューサー)は、今回の調査結果について、こうコメントしています。

「仕事もプライベートも大切にしたい毎日の中で、『とにかく今を乗り切る!』と、心身のコンディションを後回しにしてきた女性たちと、これまで多く対話してきました。その背景には、年齢とともに体に起こる変化を知る機会が少なく、必要な知識が十分に届いていない現状があるように感じます。女性特有の健康について語られる場は増えてきましたが、フットケアに目を向けるきっかけは、まだ限られています。今回の調査では、フットケアを習慣にしている人ほど、前向きな気持ちや自己肯定感、主観的な健康感が高い傾向が見られました。足元を整えることは、忙しい日常の中で自分を取り戻す、静かなマインドフルネス。入浴中や一日の終わりに、足を労わることから始めてみてほしいと思います」

「足の悩み」の始まりは10代~20代が63.4%

調査では、さまざまな角度から質問しています。「足の悩み」の有無を尋ねたところ、95.4%の人が「持っている」と回答し、その始まりは「10代」が34.2%、「20代」が29.2%と、かなり若い年代からでした。

30代で急増する「つめの悩み」「外反母趾・内反小趾」「タコ・魚の目」

どのような「足の悩み」を抱えているかを尋ねたところ、2番目に多かったのが「自分の足に合うシューズがない」(42.2%)でした。「足の形」(38.9%)で悩まれている人も多いことがわかりました。

また、「足の悩み」は足全体に関わる「コンディション系の課題」、足の症状悪化や生活への支障に関わる「メンテナンス系の課題」、形状関連の「シェイプ系の課題」に分かれ、これらを併せ持っていました。

足に合うシューズを履けていない結果、「足の疲れ」(42.7%)、「足のむくみ」(40.6%)といったコンディション系の悩みと、「外反母趾・内反小趾」(34.8%)、「つめの悩み」(33.8%)といったメンテナンス系の悩みが発生し、相互にマイナスの影響を及ぼしている可能性があります。

「足に合うシューズがない」と回答した人のうち、「3D足形計測をしたことがある」人は33.5%にとどまっていることがわかりました。「足の計測をしたことがない」人も33.0%いました。自分の足に合ったシューズ選びには、サイズだけでなく、足裏の形状や足の形も含めて3Dで足形計測をすることが大切です。

5歳刻みの年齢別で変化を比較すると、20代後半では「つめの悩み」を訴える人が増え、30代後半からは10人に3~4人の割合で継続して悩みを抱え続けていました。30代前半からは「外反母趾・内反小趾」を訴える人が増え、30代後半以降には10人に3~4人という割合で多くの人に常態化していました。「タコ・魚の目」も30代前半から訴える人が増え、30代後半以降は10人に3人が抱えていました。

自分の足に合うシューズを履いていない結果、足に痛みや生活に支障がでる状態を生み出している可能性が高い人もいるとみられます。

痛みや生活に支障がでてこないとフットケアに至らない「消極的フットケア」像

「足の悩み」を抱えている95.4%の女性のうち、フットケアを「週3回以上」「週1~2回」「月1~3回」と取り組んでいる人は、49.3%にとどまりました。

取り組みで多いのが、「ストレッチ」(52.8%)、「保湿ケア」(52.4%)、「リンパマッサージ」(32.2%)です。これらは、足の悩みで多かった「コンディション系の課題」の「足の疲れ」(42.7%)、「足のむくみ」(40.6%)に対応するケアともいえます。

また、主なケアを5歳刻みの年齢層別で比較すると、30代前半から30代後半に「アーチ構造を改善するためのインナーソール」「ネイルケア」「角質ケア(タコ・魚の目含む)」を10人に3人がしていました。

ここで浮かび上がるのは、「足の悩み」を抱えつつも、痛みや生活に支障がでてこないとフットケアに至らないという仮説です。「消極的フットケア」ともいえる状況です。

正しいフットケアやメリットの理解不足がルーティン化の壁

調査では、フットケアを日々行うルーティン化のためには何が必要かを尋ねたところ、5つのポイントが浮かび上がりました。

1.正しいケア方法を知ること(63.7%)
2.足のケアが重要だと認識すること(56.3%)
3.フットケアのメリットを理解すること(45.2%)
4.足の異常(変形や皮膚・つめトラブルなど)を正しく理解すること(43.4%)
5.フットケアの意味を理解する情報との接点が増えること(36.5%)

自由記述でも「フットケアの効果が分からない」「フットケアの正しいやり方が分からない」「何が正しい情報か分からない」といった声も多く寄せられました。

足の形状を理解したうえで「自分の感覚」で選ぶことと、フットケアは日々の両足の違いの観察から

足病医療の総合病院「下北沢病院」理事長の久道勝也医師は、今回の調査結果について、こうコメントしています。

「歩いていると脳が活性化します。歩くことを生活の中に上手に取り入れることが大事です。歩行の維持のためには足の健康が大事で、足の健康維持の入り口がフットケアです。足は負荷が大きいだけに人生の質を担保するという意味でも大事な意味を持っています。フットケアをすることで自己肯定感や主観的健康感がプラスに影響していると感じている人が多いのは、歩くことを取り入れたライフスタイルを維持するための『基本のき』として、足のメンテナンスが位置づけられていることが背景にあるのでしょう」

「10代や20代から足の悩みが始まった人が多い背景には、欧米に比べて日本は子どものシューズへの関心が薄い点です。象徴的なのが、かかとのホールドが弱く、関節以外のところでも曲がり、インナーソールもほとんど使わない学校の上履きです。自分の足にフィットしたシューズ選びの感覚をもたないまま成長していくことが、10代や20代での『足の悩みを抱えている』人を増幅させます。『足の悩み』で2番目に多い『自分に合うシューズがない』ことにも通じています」

「女性の『足の悩み』が10代や20代から始まるものの30代以降にフットケアを始める人が多いという調査結果にも理由があります。女性の足が変形する時期は、大きく分けて2回あります。1回目は妊娠・出産・育児の時期です。リラキシン(女性ホルモン)や子どもを含めた体重の影響で足の裏のアーチが低下し、扁平化します。次は更年期で、エストロゲン(女性ホルモン)の減少で腱や靭帯も緩み扁平傾向が強くなります。このように足の形は変化していきサイズも変わっていきます」

「調査では『正しいフットケアを知りたい』という声も多く寄せられました。足の裏には『内在筋』という小さな筋肉があります。地面をつかむ、歩行時の衝撃を吸収する、バランスを保持することに欠かせない筋肉です。足ゆびでグー、チョキ、パーをしたり、椅子に座って床に置いたタオルを足のゆびだけで手繰り寄せるタオルギャザーを継続的に行ったりすることで鍛えられます。足首の関節の柔軟性を維持するため、アキレス腱を伸ばすストレッチをしましょう。歩行をスムーズにするだけでなく、足裏のアーチの崩れの予防にもつながります。そして何よりも、毎日、入浴時や入浴後に左右の足を比べてみましょう。形、色の対称性が崩れていたら、そこには何か課題があるぐらいの感じで考えてください」

「シューズ選びにおいてはファッション性をすべて犠牲にする必要はありません。ベターなシューズを選びましょう。そのためには、過去のシューズ選びに縛られないで、シューフィッターと相談しながら『最後は自分の感覚』を信じてシューズを選ぶことと、日々の足の観察やフットケアで足を健康な状態に保つことが大切です」

3D足形計測で自分の足の特徴を知ることからフットケアは始まります

ASICS Walkingの直営店では、シューフィッターなどのスタッフが、無料でお客さまの足を3D足形計測で正確に測り、ご要望をお聞きしたうえでお客さまの足の特徴に合ったシューズをご提案しています。データは「ASICS Walking公式アプリ」で閲覧することができます。店舗では、足の特徴に合わせて必要なオリジナルパーツを組み合わせたセミオーダー中敷をその場で作製できる有料サービスも行っています。
※詳しくはこちらのページをご覧ください(https://walking.asics.com/journal/infoot2/)

次回の記事「フットケアを取り組む人たちの実像編」では、3人の女性の美容・健康への取り組みやフットケアに取り組むきっかけ、得られた効果などにフォーカスしたストーリーを紹介します。

また、今回の女性のフットケア・シューズ選びに関する実態調査の分析結果は、後日、「女性のフットケア白書」で紹介します。

〇調査概要
・エリア :全国(大都市圏中心)
・調査対象:10~70代の女性
・回答者数:542人(10代0.2%、20代10.8%、30代24.4%、40代29.9%、50代28.0%、60代
6.3%、70代0.2% ※小数点第二位を四捨五入)
・調査期間:2025年11月25日(火)~12月8日(月)
・調査方法:インターネット調査
※アンケート結果は、小数点第二位を四捨五入しているため、選択肢の合計が100%にならない場合があります

Direction:Yusuke Oshima(The Asahi Shimbun)
Edit+Text : Kenichi Iwasaki(The Asahi Shimbun)
Infographics+Illustration:Tae Chiba(The Asahi Shimbun)
Photo:Michi Murakami