PROFILE
東京生まれ。日本大学芸術学部写真科卒業。暮らしのエッセイスト。暮らしにまつわる著多数。長年の旅で培った旅のコツをまとめた『大人の旅じたく』(マイナビ出版)がロングセラーに。
暮らしのエッセイストとして活躍中の柳沢小実さん。趣味の旅行では、その土地の暮らしにまつわるアイテムや食材を買い求めることが多く、1日中歩きまわることもあるそうです。そんな彼女に、快適な旅をするための工夫を“旅支度”のお話を伺いました。
柳沢小実さんが語るパッキングの楽しみ方
旅は、準備段階から楽しんでいます。暮らし周りと同様で、旅支度も「詰め込めばいい」というわけではありません。整理収納アドバイザーの資格を持っていますが、限られたスペースにものをたくさん収納することが必ずしも良いというわけではないと思っています。しまったものが取り出しやすい、使ったあとに戻しやすい、というのが大事です。
たくさん歩く旅は、軽くて履き心地のよい靴で
靴は軽くても、ソールがしっかりしているものがいいですね。スニーカーもいいんですが、ラグジュアリーなホテルやレストランでもスッと入っていけるような、きちんと感がある見た目の靴は重宝しますよね。こちらのペダラトラベルシリーズはベトナムや香港で1日中歩き回っても足への負担が少なくて、助かりました。履き口やかかと部分のレザーがやわらかいので、裸足で履いても大丈夫でした。中敷が取り外せるから、帰宅して洗えたのもよかったです。私は日本から履いていきましたが、軽いので2足目としてもっていくのもおすすめです。
旅行にもっていく時は巾着があると便利ですね。シューズ専用の袋にしてもいいですが、そのほか旅先で洗濯物を入れたりしてもいいかもしれません。
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旅先で試せるパッキング術
基本的には洋服、下着、スキンケア用品、メイク用品、薬などの健康周りのもの、モバイル関係のモノに分類してケースかポーチに入れます。ドライヤーやヘアアイロンは持っていかず、かわりに髪をまとめられるヘアターバンを持っていきますね。気分を変えるためにアクセは多め。パジャマは防臭効果のあるウール素材のTシャツが最近のお気に入りです。もしこれからケースやポーチ類を買うのであれば、軽量素材で、中身が見えるものを選ぶといいと思います。私はたまに山に行ったりしますが、山は軽量化が最優先。何gの世界で荷物を削るひともいます。その感覚で私は洋服の布地の分量、重さを考えて選んでいます。スーツケースはね、ゴロゴロ転がせるとはいっても、持ち上げる機会もありますから、とにかく軽くすることを心がけています。
手荷物も軽さ重視ですが、モバイルバッテリーは必需品。荷物の多い方は、バッグはリュックかショルダータイプで、両手があくようにしておきたいですね。ファスナーがあるタイプがオススメです。財布は普段使っているものではなくて、お札を折らずに入れられるポーチで代用しています。必要なカード類も日常とは違うので絞り込んで、なくさないようにポーチの内側にクリアケースを取り付けています。
海外ではセーフティ関係の荷物も増えます。ワイヤーキーや、スマホを首から下げるためのネックストラップなどを用意して、海外旅行のリスクを少しでも減らす工夫をしています。
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旅支度は場数をふむとレベルが上がる
ひとによって旅先の必需品ってとても個人差があると思うんです。でも、本当に必要なものは、場数をふめば自ずとわかってきます。自分がどうしたら快適に過ごせるかというポイントも見えてくる。私は荷物の軽量化を基本に考えますが、飛行機が苦手なのでアロマのアイテムやお守りを持っていきます。たとえドライヤーが重くても持っていったほうが旅先で自分が快適であれば、その人には「必要」ということですよね。しょっちゅう旅をしていると、日常のなかで、「あ、これ今度の旅行に持っていこう」なんてアイデアが浮かぶこともあります。快適な旅のための旅支度、あまり肩ひじ張らず、楽しんでみてください。