2022年11月。多くの人々で賑わう天王洲キャナルフェスで「T-LOTUS M」を舞台に開かれた、アシックス「スクスク」による、ワークショップ。子どもたちの想像力を刺激するギター作りを、子育てアドバイザーの河西景翔(けいと)さんがレクチャー。また、お子さまの足の計測サービスとファミリーフォト撮影会も同時に開催。子どもたちの笑顔とともにその模様をリポートします。
穏やかな秋の日差しが差し込む会場に集まったのは20組28名(それぞれ10組ずつを2部に分けて開催)のキッズ&ママ、パパたち。この日のワークショップでは河西景翔さんが、子どもたちとクリエイティブな遊びができないかと考え、不要になったアシックスのシューズボックスで、世界にひとつだけのオリジナルギターづくりを提案しました。
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まずは、河西さんとアシックスの高村佳代からご挨拶。そして高村からは、エコを意識し段ボールを使った手作りクイズも。「生まれたての赤ちゃんの足の骨はやわらかな軟骨状態です。では、それが何歳頃に大人と同じ足の骨になると思いますか?」と質問を投げかけます。「6歳? 10歳? 18歳?」という三択クイズに子どもたちが手を上げて答えます。「たぶん6歳!」「10歳じゃない?」「18歳は違うかな?」。正解はなんと「18歳」。子どもたちの足はずっと成長中のため、その時々で足のサイズに合った靴をきちんと履くことが大事ということを、クイズを通して投げかけました。
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そして、お待ちかねのワークショップがスタート。並べられたアシックスのシューズボックスを前に、河西さんが子どもたちに「これ、何の箱かわかる?」と聞くと「靴を入れる箱!」と元気いっぱいの返事が。シューズボックスの中には、工作で使うはさみやテープ、ゴム、段ボールカッターなどの道具も用意され、歓声が響きます。
そして会場のセンターにはギターのデコレーションで自由に使えるカラフルな資材がずらり。並べられたのはメッシュ素材の布、レザーや凹凸のあるものなどさまざま。カラフルなものもヒョウ柄やシマシマ模様もあります。これもシューズボックスと同様に、不要になったシューズ素材の残材。子どもたちに自由に使って欲しいと、この日のために集めた普段はなかなか目にすることのできない素材です。
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「使いたいものを、自由に選んで持っていっていいよ!」という河西さんの掛け声で、子どもたちは、材料をあれこれ吟味しはじめます。材料はどれも普段手にしないものばかり。「自分と同じ材料を使いたいなって思う子がいたらどうすればいい?」。子どもたち同士で取り合いになってしまう前に、河西さんは子どもたちに相談。すると、「半分こすればいいよ!」「ゆずりあおうね」と次々と回答が。大人が声を掛けなくても、それぞれの思いを尊重して創作をする子どもたちの世界ができあがっていきます。
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まずはシューズボックスの蓋を閉め、箱の四面をテープでぐるりと固定。箱の上部に穴を開けて、ボール板を丸めた持ち手を差し込みます。これで土台は完成。すでに自由なアレンジははじまっています。音を出すために開けた穴も、丸だったり、三角だったり、ハートマークだったりと個性がキラリ。ストラップ代わりのポリエチレンテープの色選びも楽しそう。何色か組み合わせたり、三つ編みにしてみたり、テープを割いてふわふわの飾りをつけたりする子も。
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そして、いよいよギターのデコレーション。いろんな柄の布をパッチワークのように貼り付ける子もいれば、丸いポンポンをお花の形にする子、ひもを使って箱の側面にかっこいいラインを作る子も。みんな、あれこれと考えるより先にこれを貼ってみたい! やってみたい! と、どんどん手が動いています。最後に弦がわりの輪ゴムを箱にかけて完成。輪ゴムを引っ張って音を出したり、ロックスターのようにポーズを決めたり。自由に作った自分だけの手作りギターにみんな大満足!
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子どもたちに感想を聞くと「布を選ぶのが楽しかった!」「ゴムを鳴らすと“バンッ”って音がするのが面白い!」「大好きなキラキラをたくさん貼れてよかった」と大興奮のコメントが続々。それぞれ自分のギターにお気に入りのポイントがあり、自分の作りたいものを作れたことに達成感を得ている様子。なかには「もっとこうしたい〜!」と追加の材料を選んで持って帰る子も。家でさらにブラッシュアップして、今頃すごいギターになっているはず!
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当日は、ワークショップスペースのほかにアシックスの専門スタッフによるお子さまの足の計測コーナーやスクスクシリーズの秋冬モデルの展示コーナー、プロカメラマンによる家族の記念撮影ができるスポットも用意。ギターが完成した子からみんなそれぞれ体験したいコーナーへ足を運んでいました。
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現在開発中の「3次元足形計測アプリ」は、これまでお客さまが手で行っていた計測の手間を簡略できるとともに、一人ひとりの足の特徴をより正確に測ることを可能にします。計測した足形データは、バーコードを介して「ASICS STEPNOTE」にデータ移行し、活用することができます。
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アシックスキッズシューズ 「スクスク」はファーストシューズからベビー、プレスクールと、子どもの成長に合わせた機能とさまざまなシーンに寄り添うデザインのシューズを提案。イベント当日は、新作の試し履きなどもできました。
親子写真の撮影コーナーでは、完成したギターを手にかっこいいポーズでぱちり! 本格的なセットでプロフォトグラファーによる親子写真を撮影してもらえる貴重な機会。どの親子も楽しんで参加してくれました。
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2時間のワークショップは全員での記念撮影で終了! 今回のワークショップについて河西さんは「考えることの大切さを知ってもらえたら」と話します。
「廃材は大人にとっては単に捨てるものかもしれない。でも、子どもたちにしたら工夫しがいのある大切な素材のひとつと気づいていただけたらうれしいです。今日だけの特別なワークでは終わらせず、牛乳パックでも、果物の入っていたプラスチックケースでも、家で出た廃材を『これでなにができると思う?』と話して、子どもたちに自由に発想させてほしいです。その時、大人がなんでも『これはこうだから』と教えてあげすぎてしまうと、物事に取り組む力が半減してしまいますから、ぜひ、子どもに任せてみて。大人は子どもたち自身がやわらかい頭で生み出す力、考える力を生み出す環境を作ってあげられるといいですね」
アシックスの高村も「まさかシューズボックスがこんなに素敵なギターになるなんて!」と、驚いた様子。「廃材も子どもたちからすれば大きな刺激を与えてくれる素晴らしいおもちゃになる。いい思い出になると思うので、おうちにシューズの空き箱があれば試してみてほしいです!」
今回のワークショップのテーマは、「子どもたちの未来へ『想いをつなぐ。』ものづくり」。足を育む大切さ、足元から子どもたちの健やかな成長を応援するアシックスだからできた、廃材を捨てることなく、次の何かへとつなぐワークショップになりました。
作り方ガイド
おうちでオリジナルのギター作りに挑戦してみよう!
※ワークショップ当日の作り方と順が異なるところがありますが、子どもが作業をしやすい順でOK
※はさみやカッターを使用する際は、ケガなどをしないよう十分に注意しましょう
■材料と道具
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- 靴箱
- 段ボール紙(使用する箱の長さに合わせサイズを決める。目安は箱の縦の長さ+20-30㎝)
- OPPテープ(透明の幅広テープ)
- 肩ひも用の好みのひも(ワークショップではポリエチレンテープを使用。こちらではコットンのひもを使って作製。)
- カラーゴム(18cmくらいの長いもの)4,5本
- 飾り付け用の布、ひも、卵のパック、色付きのテープなど
- はさみ
- 段ボールカッター、もしくはカッター(刃物を使用する際は大人と一緒に作業しましょう)
- 木工用接着剤、のり
- ペン、クレヨンなど好みの筆記用具
■作り方
1 靴箱の蓋を閉め、OPPテープでぐるりと固定する。
2 段ボール紙で巻き棒を作る。この太さに合わせて箱の上面(1でシューズサイズが書いてある面)を丸くくり抜く。
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3 好みのテープや、布、紙などで箱を装飾し、真ん中に音を出すための穴をあける。
4 2で開けておいた穴に巻き棒を差し込む。テープで接合面を固定してもOK。
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4 弦がわりのカラーゴムを縦方向にして箱に数本かけ、持ち手となるひもをテープで固定して完成。
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Sogen Takahashi(still life)
Text:Kana Umehara