Contents.02 激変してしまう、歩き方

加齢や生活習慣が原因で、人間の運動機能は低下していきます。多くの人の歩行姿勢を詳細に測定したデータによれば、男女ともに50歳を境に大きく変化する項目の代表格が「歩行速度」でした。この歩行速度において、20~50歳にかけての加齢変化はほとんど見られませんが、50歳以上になると明らかに落ちてくるという結果が調査によって得られたのです。また、1歩でどれくらいの距離を進むのかを決定づける「ストライド」や、正面から見て両足の間にどれだけの距離があるのかという「歩隔」も50歳を超えると変化していく傾向にあります。歳を重ねるほど筋力が落ち、バランスをとる能力が衰えてくるので足を左右に開くことで安定させている、というわけです。

激変してしまう、歩き方

アシックスでは、3Dセンサーに向かって歩くだけで歩行姿勢が計測できるシステムを使用し、加齢による歩き方の変化を詳細に分析。図のように、身体のさまざまな部位がどう動くかを見ていくことで、ストライドや歩隔、腰の曲がりといった変化が加齢とともに生じることを明らかにしました。

50歳を過ぎると、歩き方はこう変わる

歩行速度、左右のブレ、歩隔の開きなどが、
歩き方を変えてしまう

50歳を過ぎると筋力やバランス能力の低下に対応するため、安全に安定して歩こうとする傾向になります。つまり、高齢者向けの靴はこうした点を考慮して、左右の安定性をサポートする必要があります。60代になると、腰が少しだけ曲がり、前かがみの姿勢になり、腕の振りが小さくなっていく傾向に。前後方向への動きに変化が現れます。70代後半になるとその傾向はさらに進み、歩行速度のさらなる低下、左右方向への揺れ、歩隔の開きなどが現れてきます。50歳を過ぎたら歩き方が変化することを理解し、意識を高めるのが肝要です。歩き方について意識を高めれば、80歳を過ぎても30歳のように歩けます。一方、何も意識しないままだと、60代で90代のような歩き方になる可能性もあるのです。

50歳を過ぎると、足形は大きく変化する
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