楽に歩くと姿勢は悪くなるし、筋力も衰えます。逆に言えば、身体にある程度、負荷をかけてやれば筋力は維持され、後期高齢者になっても元気に歩けるようになります。歩く時、大切なのは速度を可能な範囲で速く保つこと。同時に頭の揺れを小さくするほうが良いので、あごを引き、少し遠くを見るようにします。呼吸は鼻で吸い、口から吐くように。この腹式呼吸も運動効果を高めるひとつです。体幹は肩を開いて背筋を伸ばし、骨盤を立てるイメージで。腰が曲がっていないかも意識しましょう。腕は身体の後ろに引くイメージで振ります。こうすれば肩に無駄な力が入りません。ひざは曲げず、ストライドはなるべく大きく。このように理想の姿勢を意識し、筋力を維持する運動としてのウォーキング、すなわちフィットネスウォーキングを日々の生活に採り入れてください。
理想的な
歩行姿勢のポイント
姿勢というのは侮れません。例えば腰が曲がった人の骨盤を矯正して運動能力がどう変わるかを調べたところ、跳躍力が上がりました。筋肉がどれだけ活動しているかという指標「筋活動量」も明らかに増えたというデータがあります。こうしたことから分かるのは、普段の姿勢を変えるだけで運動効果まで変わってくるということです。つま先を持ち上げずにペタペタとすり足で歩くのも、左右の足を離してついたりするのも、足を外側に向けることで重心の揺れを安定させるのも、筋力の低下によって楽で安全な歩き方をしてしまう影響が大きいからだと考えています。だからこそ姿勢にこだわり、運動効果を上げ、筋力を取り戻す必要があるのです。下ではアシックスがまとめた理想の歩き方を図にしました。ひとつずつ実践しながら、会得してください。