各種調査で「ふだん、やっているスポーツは何ですか?」と聞くと、間違いなく1位に挙がるのがウォーキング。ウォーキングは身体への負担が他のスポーツに比べて小さいからでしょう。例えば、ウォーキングとランニングを「地面反力」という視点で見てみます。地面反力は文字通り、足を踏みしめることで地面から返ってくる力のことです。この地面反力で比較すると、ウォーキングではランニングの半分程度の負荷しか身体にかかりません。地面から足に受ける力が小さければ故障の発生リスクも減ります。ひざや足首のケガも減り、土踏まずに負担がかからないのでアーチも崩れにくくなります。また、体重が重い場合は足の負荷が大きく、いきなりランニングを始めるのは危険です。ウォーキングは身体にやさしく、工夫次第ではランニングに匹敵する運動効果もあります。ですから安全に健康増進を図るうえで「歩く」ことはおすすめなのです。
こまめな10分のウォーキングでダイエット
どんどん歩いてエネルギーを消費すれば糖分を使います。結果、血糖値が下がり脂肪の燃焼も始まります。穏やかな運動のように思えるウォーキングですが、生活習慣病の抑制にもつながるれっきとした運動です。またウォーキングでは、下肢の筋肉だけでなく体幹や上肢などの筋肉も鍛えられます。つまりウォーキングは、ランニングより故障のリスクを抑えながら、筋力をつけ、生活習慣病の抑制も行えるのです。かつて運動は20分以上行わなければ意味がない、と言われましたが、近年では10分程度の運動でもこまめに行い、1日の総運動時間が確保できれば、十分、脂肪燃焼の効果があることも報告されています。短い時間のウォーキングでも、複数回行えばダイエット効果が期待できるのです。